ポータルサイト（弁護士比較サイト）で弁護士を選ぶメリットと懸念点について

インターネットで弁護士を比較・検索するときに参考となるのがポータルサイト（複数の法律事務所の弁護士が掲載されている比較サイト）です。

相談をお考えの法律分野に関して、その分野に注力している弁護士を簡単に探すことができるという点で便利です。
複数の弁護士が一覧で表示されますので、それぞれの弁護士が売りにしている事柄について比較しやすいかと思います。

上記のようなメリットがあるため、最近、交通事故分野を対象として、複数のサイトが運用されているかと思います。

しかし、以下のような注意点・懸念点があるかと考えておりますので、弁護士比較サイト（ポータルサイト）だけで弁護士を選ぶことはおススメできないと考えております。

まず、ポータルサイトと契約をしている弁護士しか表示されないという点です。

交通事故を得意とし実績のある弁護士のすべてが契約をしているわけではありません。

そのため、ポータルサイトに掲載されている弁護士から選ぶと、情報量が限定されてしまうため必ずしもベストな選択ができるわけではないと考えております。

次に、ポータルサイトの仕組みとして、契約している弁護士がサイトに支払っている費用（掲載料）に応じて、上位に表示されたり下位に表示されたりする点です。

弁護士紹介ページにおいて、注力分野として「交通事故」と表示させたり、比較されたときに他の弁護士よりもより上の位置に表示させたりするためには、そのための費用を弁護士が負担しているのが一般的です。

そのため、その弁護士の実力や実績等とは無関係に、費用の負担の有無や金額によって、ランキングが上下するかと思います。

目立つからその分野に強い、上に表示されているからその分野の実績があると安易に判断しないように、じっくりと情報を見極める必要があると思います。

これらを踏まえたうえで、必要な弁護士を探すことになります。

では、どのような点を重視して弁護士を探すべきでしょうか。

交通事故分野で言えば、

①解決実績の内容（質や量）

②地元の法律事務所であるか否か

③所属弁護士の規模と専門性

を重視すると良いでしょう。

①解決実績の量で、その事務所が交通事故分野を多く扱っているかどうかがある程度は分かります。

解決実績の質（分量や専門性）で、その事務所が交通事故分野を本当に得意としているのか、さらに言えば交通事故分野でもどの点を得意としているのか（死亡等の重度案件の取扱があるかどうか等）がよく分かります。

②交通事故分野では地元の法律事務所のほうが、その地域の医療機関との連携がうまく取れて、結果として良い結論を得られやすくなるという場合があります。

また、相談のときや依頼後の打ち合わせのとき、あるいは不安に思うことがあり直接弁護士から話を聞いてみたいときに、すぐに訪問できることは大きなメリットかと思いますので、地元の弁護士の方が良いかと考えます。

③交通事故の解決には、高度な医学的知識が必要であり、複数の弁護士が事件に携わることで、多角的な観点から事案を検討でき、より良い水準での解決ができるかと考えております。

上記を意識しながら弁護士を探すことは面倒に感じることもあるかもしれませんが、よろしければご参考にしていただければと思います。