嗅覚脱失により後遺障害12級相当の後遺障害が認められ,右膝の後遺障害を含めて約1200万円の増額が認められた事例
相談者
50代男性,会社員
事故態様:車対歩行者
傷病名:右脛骨近位端骨折,顔面打撲,外傷性嗅覚障害
相談に来られたときの状況
事故から約3ヶ月を経過して,膝のリハビリ入院をしていた頃に,息子さんが保険会社側の休業損害の算定が低いのではないかとのことで相談に来られました。
当時,膝の治療の予後についての心配のほか,ご本人が臭いがしない気がすることを訴えているというという状況でした。
サポート内容
ご本人の収入は給与と委託業務報酬の2口に分かれている収入体系でした。休業損害の算定が低かったのは,委託業務報酬分が算定されていなかったことが判明したため,この点を指摘して支払ってもらいました。
また,嗅覚脱失については,主治医に相談して耳鼻咽喉科を紹介いただき,アリナミンテスト(静脈性嗅覚検査)を受けていただきました。
事故から約1年で症状固定の診断を受け,後遺障害等級認定申請をしました。
右膝の痛みについて12級13号,嗅覚脱失について12級相当と認められ,併合11級を獲得しました。
保険会社側からは,嗅覚脱失の逸失利益を否定した上,6年間の逸失利益を主張して約380万円の提示でした。
当方は,訴訟を提起して適正な賠償を求めました。
和解が決裂して判決となりました。裁判例の趨勢を踏まえ,嗅覚脱失についての逸失利益は認められませんでしたが,右膝の痛みの労働能力喪失期間を12年と認められ,また嗅覚脱失の逸失利益の代わりに慰謝料の大幅増額と受けるなどし,遅延損害金や弁護士費用を含めて,1600万円の賠償が認められた解決となりました。
最終後遺障害等級:併合11級
賠償額:約1600万円(判決)